サラとソロモン(読書中)

 

愛するソロモンがよりにもよって自分の弟(正確にはその友達)に
撃ち殺されるという大変ショッキングな出来事が起こったときのこと。

私は、これはとてもじゃないけど許すことはできないと思いました。
これを許してしまったら、もっと酷いことに巻き込まれるような、
そんな気持ちにもなりました。

だけどソロモンは「死などない」「むしろ自由になった」等と言いました。

そこを読んでハッと思い出したことがありました。

もう10年近く前になりますが、従兄弟が突然の病で
31歳の若さで亡くなりました。
動脈瘤破裂で、あっという間の出来事でした。

私はあまりのことに驚き、嘆き、悲しむしかできませんでした。
従兄弟は私の父の仕事も手伝っており、ほぼ毎日のように
私の家に来ていたのです。

でもお互いに忙しく、話しをすることも殆どありませんでした。

ある日、私は心に浮かんだことを彼に尋ねてみました。
「ようちゃん、そっちの世界はどう?」と・・・。
すると頭の中に答えが浮かびました。
自分の妄想かもしれないけど、私にはそれが彼からの答えに思えました。
しばらく会話しました。
彼はこう言いました。(声ではなく、頭に思い浮かんだだけです)

「なかなか快適だよ。
 体があるときは、行きたい所にも会いたい人の所にもなかなか行けなかったけど、
 今は一瞬でどこにでも行けるんだ。
 お母さんにもすぐ会いに行けるし、助けてあげることもできるんだ。」

彼のお母さんは再婚相手と遠くに暮らしており、長い間会えていませんでした。
精神的に弱い人なので、彼はサポートできる立場になったことを喜んでいるようでした。

ただの私の妄想かもしれないけど、49日を過ぎるまでは
頭の中でこんなふうな会話ができました。
不思議と、49日を過ぎたあたりから、返事は返ってこなくなりました。

亡くなった母とも会話したことがありました。
私に都合のいい話だったので、これも妄想だと思いましたが・・・

私は離婚後、母が一緒に暮らしていてくれたことで
ものすごく助けられた。ありがとう。と伝えたところ、

 お母さんこそ、お父さんが亡くなった後、
 あなたたちが一緒に暮らしてくれたから
 さみしくなかったよ。
 お母さんこそ、ありがとう。

そう言ってくれました。


ソロモンが言っていることと、従兄弟の彼が言っていたことは同じだ。
鳥肌とともにそう思いました。
体がなくなってむしろ自由になったと・・・。
むしろ前よりも、いつでも会話ができるようになったんだよ、と。

あの日の、私の頭の中での会話は、妄想ではなかった。
ソロモンがそう教えてくれた気がしました。