私の母は、変わった人だった。
他のお母さんとは、なんだか違ってた。
私が小さい頃は母はいつも体調が悪くて寝てばっかりいたので
私は一人遊びが得意ないつも寂しいかわいそうな子どもだった。
しかし母は、私のことを「一人遊びが好きな子」だと本気で思っていたようだ。
母には友達がいなかったので、私も、幼稚園に入るまで友達が出来なかった。
誰とも遊ばせてはもらえなかったからね。
友達はみんな「お誕生日会」と言うのを開いてもらってたけど、私はやってもらえなかったので、呼んでももらえなかった。
母はそういうことにはおそろしく疎かった。
家はいつも恐ろしいほど散らかっていた。
今思えば完全に、発達障害があったんじゃないかな?と思う程の散らかりようだった。
料理もとても苦手で、いつもお惣菜か、煮物か、カレーがご馳走様。
そしていつも鍋を焦がしていた。
火を使っていることを、忘れてしまうのだ。
家も料理もいつも焦げ臭かった。
よく火事にならなかったなあ…と感心するほどだ。
でも私のことを怒ったことは一度もなかった。
姉と兄のことはいつも怒っていたけれど、私は怒られたことがなかった。
まあ、末っ子の特権で、どんなことをしたら怒られるのか、姉兄を見て学んでいたからね(^^;;
私の娘のことも、猫っ可愛がりしてたなあ…
昔は発達障害なんて言葉はなかった。
知恵遅れ、とか言われている人はいたけれど、自閉症の人すら「変わり者」くらいに言われていたし。
母は成績は良かったそうだから、知恵遅れとは違うし、だけどきっと凄く生きづらかったんだろうな…と思う。
なんというか、人と接するのが下手だったのかなあ…。
嫌味っぽいというか、嫌な言い方しかしないなあ…と思ってたけど、私も似てるのかもしれないわ。
娘によく怒られるもの。
今日はなんとなく母のことを思い出していた。
変わった人だったよなあ…と思う。
友達の、友達みたいに仲がいいお母さんが羨ましかった。
私と母は友達みたいな関係では全くなかった。
私は娘とは友達みたいに仲良くしたいと思ってたから、実際に今はそうなっている。反面教師というやつだ。
まあ私は変わった人が好きだけどね。
変わってる人って、面白いからね。
(※しかし母が面白い人だったかと言うと、全く面白くはなかった…)
母は友達なんかいらなかったんだろうなあ。
母の気持ちなんて、全くわからない。
だって、変わった人だったから。
誰かに好かれようなんて行動は一切取ってるようには見えなかった。
幸せだったのかなあ?
孫と一緒に映る写真はとても幸せそうに笑っている。
泣いているのを見たことは殆どない。
一番近くて、遠い人。
母は、なんとも変わった人だった。